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Invisible information ~隠れた情報~

 今回の作品は、2018年に発表した ”Invisible Layers(見えない層)” の派生版、と考えています。3年前に発表したこのシリーズでは、「表面に見えているものの奥にある隠れた層にこそ、本来見なければならないものがある」という点を可視化かつ抽象化したものでした。

 今回の作品のコンセプトも同様ではありますが、より具体的かつ体験的な作品となっています。
この3年間で得た経験や様々な事象の中で、いかに探し求めている情報に辿り着くことが「面倒くさい」ことなのか、また曖昧な情報に振り回されてなかなか「見えてこない」のか、を表現したものです。

 
 今回の私の作品では、展示会場にはQRコードしかありません。この時点で、その先に進もうとする人と止める人とに分かれ「情報格差」が生まれます。実際には、進みたくてもQRコードを読み取るツールがなく諦めてしまう人もいるでしょうし、その逆にツールはあっても面倒くさくて進まない人もいると思います。実際にQRコードを読み取り、その先に進んだとしてもフェイクな画像が情報として出てきたりもします。では他のQRコードを読み取ってみたらどうなのかと進んでみても、なかなか嘘でない画像というものには辿りつけません。
 AIによる顔の差し替えアプリまで出てきている世の中で、嘘か本当か分からないまま情報を信じて、その情報をもとに自分の行動を決定していくことは誰にでも起こりうる時代になってきました。

「探しても面倒」「諦めてもモヤモヤ」「見つかっても胡散臭い」と感じてしまう体験を、意識しながら見てもらえる展示にしてみました

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